コスパ最強との噂のサトレックス(SATOLEX)のFumine DH307-A1Bkを購入したのでレビューしたいと思います。
サトレックス(SATOLEX)とは?
コネクタやジャック、スイッチなどの製造をする1947年創業のメーカー、ホシデン株式会社の完全子会社の株式会社サトレックス。
ホシデンは1961年からOEM用の片耳イヤフォンの製造を始め、自社ブランド、ホシデンルンルンを展開しました。1977年にオーディオ部門を独立させて出来たのが子会社のサトレックス。1982年には製品開発を辞めてしまったが2012年からオーディー製品の開発を再開したということです。
詳しくは下記のUSENの記事で紹介されていますので気になる方はどうぞ。
http://e.usen.com/audio-visual/5925/
サトレックスのDH307とは?
サトレックスのFumine DH307-A1Bkは、元々サトレックスが発売していたDH297-A1DRというヘッドホンのデザインやパーツを簡素にして価格を抑えたビックカメラグループ限定販売のヘッドホンです。この特定の流通とタッグを組んでパーツを簡素にして安く売る手法はSENNHEISER HD6XXのmassdropが有名ですが、デザインは簡素であればあるほど好ましいと思っている私としては大歓迎です。単なる値下げですとブランドイメージを守ることが難しくなってしまいますがパーツを簡素にして値下げするのでブランドイメージも守ることが出来るのでメーカー的にもそこまで悪いことではないはずなので、もっと広まれば良いなと思います。
DH297-A1DRの定価が14,990円に対してFumine DH307-A1Bkが10,778円なのでお得感があります。しかも、Fumine DH307-A1Bkは、2018年4月18日にいきなり6,458円まで値下げされました。しかも、ビックカメラであれば968円分のポイントがつくので、ビックカメラで968円分の買い物をする予定があることが前提ではありますが、実質5,490円で買えるのはなかなかヤバいかなと思います。元々約1万円でコスパに優れていると話題だったので、5千円台でこの機種が買えるのはかなりの破格かなと思います。ディスコンになるのか、このままこの値段で販売が継続されるのか分かりませんが、仮にこの価格のまま販売が継続されるなら、5千円辺りで買えるヘッドフォンで評価の高いCreativeのAurvana LiveやDENONのD1100に肩を並べる、もしくは超える銘器になるかな。という予感がします。
そして、信頼と実績のメイド イン ジャパン!この価格で!サトレックスすごいぜ!
外観、デザインなど
ものすごい簡素です。1,000円で売られていても違和感がないようなチープさ。
イヤーパッドの交換パーツが販売していないので、イヤーパッド保護の為にmimimamo スーパーストレッチヘッドホンカバー Lをつけています。
サトレックスのロゴすら見えるところに入っていないという潔さです。個人的にはロゴくらいハウジングに堂々と入れてくれたらいいのに。街で使って宣伝するのに。と思うんですけどね。
「私どもSATOLEXはマイナーメーカーです。マイナーメーカーのヘッドフォンを使って恥ずかしい。と思われるユーザーさんも数多くいらっしゃると思います。DH307にはSATOLEXのロゴは見えるところには載せていませんのでご安心下さい。」
的なメーカーの配慮だとしたら、泣けてきますね。
初めてだから電気消して欲しい。みたいな。
SATOLEXのロゴ入れてくれていいんですよ!個人的にSATOLEXのロゴはレトロな雰囲気でカッコイイと思います!
いやいや初めてだからこそ電気つけさせて!的な感じですよこっちは!
この価格帯では珍しく、ヘッドホンケーブルの着脱が出来ます。ポータブル用途でガシガシ使う方も居ると思いますので、断線もへっちゃらなこの仕様は嬉しいですね。リケーブルの楽しみもあります。ちなみに、コードは良心的なmini to miniです。純正のコードは癖が付きやすくやや頼りないので、自分はAmazonで千円くらいで買っていたコードに替えました。バランス化は容易には出来ませんがこの価格帯の商品にバランス化を求めてる人は殆ど居ないでしょうから問題ないでしょう。
フィット感
約180gということでものすごく軽いです。アラウンドイヤーとまではいきません、ややオンイヤーですが、側圧が強くないのでかなり快適です。3時間くらいつけていても全く問題ないと思います。優秀です。
音漏れや遮音性
側圧が強くないですが、その割には遮音性はそこそこ。音漏れについても悪くはないかと思います。
ポータブル用途としては、街歩きなら充分イケますが、満員電車では隣の人には聞こえてしまいそうなので、やや厳しいかなあ。と。空いてる車内なら問題ないでしょう。
音質
軽妙な高音、ものすごく聞きやすいボーカル、低音は締りは良好ですが控えめで、やや物足りない感じもしますが、その分ボーカルの見通しの良さに繋がっていると思います。
というか、音のバランス、繋がりがものすごく良いです。1万円までのヘッドホンはどこかに癖を感じたり、繋がりの悪さに違和感を感じたりするものですが、癖や違和感がありません。とても気持ち良い音です。
音場は密閉型としては普通ですが、窮屈な感じは一切しません。ボーカルの位置が絶妙で、近いのですが少しだけ前なので、聞きやすく、立体感があるように思います。
ジャンル別にレビューもしたいと思いますが、軽めのロック〜ポップスを聴くのであればこの価格帯で右に出るものはなかなか居ないんじゃないかなと思います。
ジャンル別の相性
J-pop・・・☆☆☆☆☆(5点中5)
西野カナ、宇多田ヒカル、あいみょん、米津 玄師、星野源など聴いてみました。
いやー、最高ではないでしょうか。とにかくボーカルが聞きやすいです。音のまとまりが良いので、聞き疲れのようなものも一切ありません。朝これでJ-popを聴きながら通学、通勤とか最高じゃないかと思います。爽やかです。
DT1990proやHE560などこのヘッドフォンの10倍以上の金額のヘッドホンも持っていますが、J-popを聴く、もしくはBGM的に流す際にはこのヘッドホンが最も良い感じです。
アイドル・・・☆☆☆☆☆(5点中5)
乃木坂48、ももクロ、でんぱ組、BISH、バンドじゃないもん!、ゆるめるモ!など聴いてみました。
アイドルソングも相性最高だと思います。ボーカルが近くで聴いやすいというのはアイドルソングを聴く上で最も重視するポイントの一つではないかと思いますが、この機種はそれについては最強のヘッドホンの一つかと思います。
アイドルソングはハイテンポで展開の早いものが多いですが、このヘッドホンはスピード感のあるポップスの表現はとても上手です。
聴いてて気持ちいいです。楽しいです。普段アイドルソングは聴きませんが、このヘッドホンならどんどん聴けます。
特にAKBグループ。AKBの音ってラジオみたいというか、全音域が過不足無く出すぎているというか、ハイファイ過ぎるのが仇となって、メリハリがなくて、全体的に軽すぎるというか、チープな感じがする。みたいな感じがありますが、このヘッドホンで聴くと、むしろこの軽さがいいなと思えます。秋元康はこのヘッドホンを使ってミックス〜マスタリングにOKを出してるんじゃないか。って思うほどです。
アニソン・・・☆☆☆☆☆(5点中5)
アニソンもとても良いです。アニソンと言ってもメタルからアンビエントまで幅広いっちゃ幅広いですが、基本ボーカルソングなので前述の通り相性は良いと思います。
アニソンはロックっぽいものも結構多いので、ロックのゴリゴリのベースラインとかを求める人だったら低音が足りないなと言う感じで、4点とか3点になるんでしょうけど、一般的なリスナーの方なら5点で良いと思います。
ROCK・・・☆☆☆★★(5点中3)
SHISHAMO、きのこ帝国、ASIAN KUNGFU GENERATION、[Alexandros]、KANA BOON、くるり、サカナクション、RADWIMPS、Tame Impala、King Krule、Daft Punk、Hella、System of a Downなど聴いてみました。
SHISHAMOやRADWIMPSみたいなボーカルが強いバンドは5点つけても問題無いですが、ベースのドライブ感や音圧が欲しいバンドはノリや迫力がどうしても不足してしまうなと感じます。
メタルに関してはHella、System of a Downの他にMETALLICAも聴いてみましたが、低音の音圧不足感、アタック不足感は否めませんが、ギターの表現がうまいので聴けないこともないかなという感じ。こちらも3点かなと思います。
HIPHOP・・・☆☆☆★★(5点中3.5)
A Tribe Called Quest、Jay-Z、Nicki Minaj、サイプレス上野とロベルト吉野、SIMI LABなど聴いてみました。
個人的には相性は結構良いなと思いました。もちろん低音の量は少ないんですが、ロックを聴くときより、さほど気になりません。HIPHOPはボーカルが強めですし、リズムもタイトなものが多いので、聞きやすくて良いなと。90年代のHIPHOPを中心に聴く人は気に入ってくれるかな。と思います。
ただ、曲によっては全然ダメです。ベースがものすごく強くて重いトラックとかは明らかに迫力不足です。Nicki MinajやSIMI LABとか聴くにはちょっと厳しかったです。
Techno・・・☆☆☆★★(5点中3)
Ricardo Villalobos、808 state、Derrick May、Basic Channel、電気グルーブ、ZEDDなど聴いてみました。
90年代のTechno、00年代のミニマル・テクノなんかは悪くないんです。ただ、やはり曲によっては低音が足りないなあ。と思います。作業中にBGM的に流すならむしろちょうど良いんですけどね。
Electronica・・・☆☆☆☆★(5点中4)
エイフェックス・ツイン、Kelly Lee Owens、Bjork、James Blake、高木正勝など聴いてみました。
何度も言うように低音はやや不足感は否めないのですが、ElectronicaはVo.や上モノの表現のほうが重要だと思っていて、このヘッドホンだと気持ちよく聴ける楽曲が多いと感じたので4にしました。打ち込みの上でメロディーを奏でるピアノやアコギなどの表現力は充分ですし、ボーカル曲はやはり抜群です。Electronicaには楽曲の美しさを求める人にはもってこいだと思います。
Jazz・・・☆☆☆☆★(5点中4)
Miles Davis、EMI MEYER、Keith Jarrett、Marlena Shawなど聴いてみました。
ライドシンバルの粒立ちが良く、スティックの先の形状がどうなっているのか判断できそうなほどですし、スネアのゴーストノートの表現なんかも優秀で、スナッピーのテンションがどの程度なのか判断できそうなほど、とても良いです。軽妙なスイングジャズとの相性はとても良いように思います。女性Vo.との相性も良いです。
ただ、JAZZはさほど聴かないので、そんなに自信はありません。高評価にしましたが、熱心なJAZZマニアの方からすると微妙だと思われる可能性もなきにしもあらず。保険として、スピーカーのtangent EVO-E5で聴くJAZZが心地よいのと同じ感じだと言っておきたいと思います。
サトレックスのDH307のイヤーパッド交換
サトレックスのDH307の場合、低価格モデルということもあり、イヤーパッドの個別販売はないようです。汎用イヤーパッドを使うことになりそうですが、YAXI Fix80mm CPAD-80BLK ブラック 交換用べロアイヤーパッドが良さそうな気がするので、今度購入して試してみたいと思います。
※購入してみましたが、かなりギリギリですが一応ハマることはハマりました。一回り小さいので装着感が変わってしまいますが、イヤーパッドがダメになっても捨てることにはならないことが分かって安心しました。
まとめ
ポップスとの相性は最高で、コスパは非常に良いと思います。
低音の不足感も作業用のヘッドホンとしてなら、むしろプラスに働くと思いますし。
着用感もとても良好ですし、普段遣いとしてかなり優秀なヘッドホンだと思います。サトックス!やるね!